Act.3-2 分圧制御の重要性 (他社カプセルとの違い)
空気中に含まれる気体は、気体ごとにその濃度に比例した圧力を持っています。
空気全体の気圧に対して各気体が占める圧力のことを分圧と呼びます。
分圧は空気全体の気圧× 気体の濃度(モル分率)で表されます。
血中に溶け込む溶解型酸素の量は、空気中の酸素分圧に比例します。
通常の大気は、約2割の酸素と約8割の窒素が含まれているので、
1気圧の時の酸素分圧は約0.2、窒素分圧は約0.8となります。
この大気に酸素を注入して空気中の酸素の割合を上げてやると、
酸素分圧は上がり、窒素分圧は下がります。
たとえば、酸素濃度を35%に上げると、酸素分圧は0.35に上がり
窒素分圧は0.65に下がります。
さらに気体を圧縮して気体全体の圧力を高めると、
酸素分圧はより上昇します。
たとえば、酸素濃度を上げた気体を圧縮して
気圧を1.2気圧に高めると、
酸素分圧は通常大気の約2倍、0.42に上昇します。
このことにより、血液中により効果的に大量の酸素を
溶かし込むことができるようになります。
◎窒素分圧を上げずに酸素分圧だけを上げます!
一般の空気(酸素)カプセルのように... Attention!
通常大気の圧力をそのまま高めると、
酸素だけでなく窒素の分圧も上がるために、
いわゆる「窒素酔い」と呼ばれる障害が
起こる場合があります。
◎窒素分圧が上がるため「窒素酔い」の危険性あり!
※どれだけ圧力を加えても酸素濃度は20%のままです。
ただし、気圧も酸素濃度もただ上がれば良いというものではありません。
気圧を上げすぎると鼓膜に悪影響が出るほか、酸素以外の要素による弊害が出てきます。
また、酸素濃度を上げすぎると身体に有害な活性酸素が増えたり、
酸素呼吸のためにより身体に負担がかかることにもなります。
一般には、気圧:約1.2気圧(通常大気の約1.2倍)、
酸素濃度:30~35%(通常大気の約1.5倍)が人体にとってベストといわれています。
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